Youtube「山と渓谷ch.」の動画、「 【山登りHowto】 第4回 テントの撤収【アライテント広報担当の福永さんに教わる山のテントの基本】 」より引用しています。
他の回の動画をご覧になりたい方は、「山と渓谷 ch. 」をご覧ください。
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新しい、買ったばかりのテントの中にはさわやかな空気とテントの布地の匂いしかしません。ところがこんなテントもいつしか独特の湿っぽい、カビ臭いような、泥臭いような匂いが染み付いてしまうことがあります。
こうしたテントに独特な臭気の原因は、グランドシートの底にこびりついたままの泥や、雨に濡れたまま押し入れにしまい込んだりしたために発生したカビ、そして人間の体臭や、調理をしたときの臭い、タバコの臭いといった、いろいろな生活の臭いなのです。いってみればそのテントと過ごした時間の濃密なエッセンスといってもいいのかもしれません。
しかし、そういった何やらしんみりとした匂いがするテントの中で生活するのもちょっと気が滅入ってしまうものがありますよね。
それでは、テントを買ったばかりの新品と同じ新鮮な状態に戻すのには、どうすれば良いのでしょうか。
「洗濯すればいい」という人が必ずいると思いますが、残念ですが普通の方法ではテントを洗濯することはできません。洗濯機で洗うことができないのは当然ですが、ものの本にあるような大きなタライや、風呂桶などに漬けて、手でもみ洗いをするというのも、テントに施されている防水加工やはっ水加工を損なってしまうためにやらない方が良いと思います。
ではどうすれば良いのでしょうか?
一番大事なことは、テントを使ったら、しまい込む前に必ず良く乾燥させることです。もちろん、テントを構成している化学繊維は紫外線による劣化がありますので、直射日光は避けるようにして乾燥させて下さい。
テントを乾燥させるときは、設営した状態(フレームをセットした状態)で乾燥させると素早く乾燥させることができます。
乾燥させることで異臭の原因はだいぶ取り除くことができるはずです。
また乾燥させることで、泥汚れなども簡単にたたき落とすことができるようになります。どうしても落ちない汚れについては、ぬるま湯に漬けて良く絞った布で拭いてみて下さい。洗剤を使う場合は、使った洗剤の成分がテントの上に残らないように、水で完全にぬぐうようにしてください。
もう一つの大事なことは、テントの中にものを入れたままたたまないことです。例えば、雨で湿ったテントの中にパンを入れたままテントをたたんでしまったら、どんなことになるかは簡単に想像できますね。こうして付いてしまったカビ臭さは嫌らしいほど頑固です。パンや食料でなくても、人はいろいろなものをテントの中にたたみ込んだまましまっているようです。(靴下や、下着、本、ヘッドランプ、ライター=これらは私たちの元に届けられた修理依頼のテントの中に入っていたものの一例です。)こうしたものはすべて異臭の原因になるだけでなく、テントの破損の原因にもなります。
必ず、テントをたたむ前にはもう一度忘れ物がないか確認して下さい。そしてテントの中の細かいごみを逆さにして出してからたたんで下さい。
テントをたたむときに付着した汚れをふるい落としておくことも、テントをキレイな状態で収納するためには重要なポイントになります。
従来行われていたような、グランドシートの中にテントをたたみこむようなたたみ方(下図参照)は、テントの中の空気が抜けづらいために、きれいにたためないだけでなく、地面に接して汚れたグランドシートが外側になるため、たたみづらく、なおかつスタッフバックの内側を汚してしまうという欠点があります。スタッフバックの内側を汚してしまうと、その細かな泥汚れが原因でテント全体を汚してしまうこともあります。
ここで紹介するテントのたたみ方(下図参照)は、テントの中にごみや忘れ物を残しづらく、テントの空気も出しやすいためにキレイにより小さくたたむことができ、グランドシートに付着したごみも周囲に付着しづらいたたみかたです。とくに小型のテントで有効ですが、2人いれば大型のテントでも同じようにたたむことができます。
このたたみ方は、慣れると一回も地面に触れないでもテントをたたむことができるため、悪天候の場合に特に便利です。
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