アウトドアで使うものだから頑丈で、高機能でなければいけないテントやシェルターですが、その機能もいつまでも新品のときの状態を維持できるわけではありません。使い込んでいくうちに必ず具合が悪くなっていく部分としては、例えばファスナーがあります。
ファスナーの引き手のパーツを「スライダー」といいます。この「スライダー」のファスナーをかみ合わせる部分はアルミダイキャスト製です。
ドーム型テントの場合、入口のファスナーは通常で180cm位の長さがあります。
スライダーはテントの入口を開閉する度に180cmも移動するわけです。何もなくてもこれだけの距離の移動を繰り返せばそれ相応に「スライダー」は摩耗しますが、さらに泥で汚れたファスナーや、通常よりも早いスピードで乱暴にファスナーの開閉を行なえば「スライダー」の摩耗は一層早くなります。
摩耗した「スライダー」はファスナーをかみ合わせる力が弱くなりますから、「スライダー」を閉めたのに、ファスナーが開いてしまうという現象が起こります。
応急処置としてよく行なわれているのが、ペンチなどで「スライダー」を締めるという方法ですが、これも締め加減が大変微妙な上、すぐに「スライダー」が摩耗して、ファスナーが再び締まらなくなるし、ファスナーのレール(コイルといいます)にも圧迫が加わるためにファスナー自体が破損する原因になることがあるので、あまりよい方法とは言えません。
こうした「スライダー」の摩耗が原因の場合、スライダーを交換することで簡単にその機能を回復することができます。
また、「スライダー」の摩耗は、ファスナーの開閉を丁寧に行なうとか、ファスナーに付いた泥汚れをこまめに掃除することや、市販のファスナー潤滑剤を塗ってやることで防ぐことができます。
新品のスライダー(左)と磨耗したスライダー(矢印の部分がすり減っています)
テント用のフレームは曲がることによって、フレームにかかる力を受け流し、吸収しています。これが、曲がらないほど硬いフレームだと、フレームにかかる力を受け流すことができないために折損してしまいます。(受け流すのが間に合わないほど大きな力が働いた場合にも、フレームは折損します)この際、フレームが一定のカーブを描き続けていると、そのカーブの形状に合わせてフレームが曲がる場合があります。
これが「フレームの曲がり癖」です。このような「曲がり癖」は、ジュラルミン製フレームに特徴的な現象です。
フレームの「曲がり」は、フレームの口径やテントの形状に関係なく発生します。
こうした「曲がり」は、テントの形状が変形するような極端なものでない限り、テントを使用する上での支障はありません。
また、こうした「曲がり」は使用回数にかかわらず、1回目の使用から出る場合があることをご理解いただきたいと思います。
このような「曲がり」を、無理に矯正しようとすると、金属に無理な力がかかり、かえって折損の原因になる場合があることもご理解ください。
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